経営のエキスパートの称号
MBAは英語の略語で、直訳するとビジネス統治のマスターという意味になります。
基本的には国内でビジネススクールと言われる、ヨーロッパやアメリカの経営大学院の修了者が名乗れる称号です。
MBAは資格と間違われることが珍しくありませんが、資格とは異なる、いわゆる「学位」です。
国家資格に比べると、取得していないと特定の業務に当たれないといった効力は基本的にないのですが、MBA取得者に対しては経営のプロフェッショナルとして高く評価されます。
国内でビジネススクールと呼ばれるカリキュラムを持つ大学院を利用しているのは、主に実務経験を持つ社会人をターゲットとしています。
歴史は19世紀後半の米国ウォートン・スクールからスタートし、その後ハーバード・ビジネス・スクールが制度を確立させたと言われています。
MBAが取得出来る経営大学院の一般的なカリキュラムは、会計学・経済学・財政学・マーケティングなど経営に関する幅広い分野に渡ります。
これらの企業経営に求められる技術を総合的に集約したものがMBAです。
MBAを取得する方法
社会人として働く方がMBAを取得するには、大きく分けて4つのルートがあります。
1つ目は会社を退職または休職して国外のビジネススクールに留学してMBAを取得する方法です。
メリットとして真にグローバルな考え方が身につき、グローバルに人間関係も築ける反面、費用が1,000~2,000万円程度と高くつく事がデメリットでしょう。
2つ目は、会社を退職または休職して国内のビジネススクールで学業に専念してMBAを取得する方法です。
費用が比較的安く済む反面、休暇中の仕事や収入の不安があります。
3つ目は、会社の仕事を継続しながら、休日や夜間にビジネススクールで学習してMBA取得を目指す方法です。
費用が安くつき、収入の不安もありませんが、仕事と学習の両立に不安があります。
4つ目は、仕事を継続しながら、空いた時間を利用してオンライン通信教育でMBA取得を目指す方法です。
効率的に時間を使って自分のペースで学習が進められる反面、自由度が広く計画的に進まない不安があります。
MBA資格を活かす方法
MBAの称号を持つものは、マネジメントのエキスパートとして活躍できる能力を持つと評価され、就・転職の際に自己アピールできる大変有利な武器となるものです。
企業内留学制度として、ビジネススクールでMBAの取得に向けてサポートしたり、取得を奨励したりする企業は多数あります。
MBAを取得したからと言ってすぐに収入がアップするというケースは少ないようですが、将来的に見れば有利に作用するでしょう。
実際には多くの社会人MBA取得者は、転職あるいは起業により、習得した知識を活用して収入をアップさせるケースが多いです。
気になるMBAのメリット
これまではMBAとして評価されるには、米国のトップ10と言われるような有名なビジネススクール修了が必要でした。
しかし、近年では企業のニーズ拡大に伴い対象校が広がり、ヨーロッパや国内のビジネススクールも一定の評価をした上で採用計画を立てる傾向にあります。
新興国を始め、成長が期待される国においては、先取りしてMBAを取得するケースも増えています。
ビジネスのグローバル化に伴い、MBAに対する期待は益々高まる傾向にあり、希望者数や進学者数は増える一方です。