アンチエイジングは予防医学の時代へ
女性にとっていつまでも若く美しくありたいという希望を叶えてくれる「アンチエイジング」ですが、今アンチエイジングをサービスとして扱う美容業界では大きな変化を迎えています。
かつてアンチエイジングといえば、40代でも20代と同じ見た目を維持することを目的としたものとして知られていました。
現在も多くの美容系クリニックで行われている施術ですが、体型や顔型をキレイに見せるためのリフトアップや脂肪吸引といった方法や、顔などの肌ツヤを増やすためのヒアルロン酸注射など人工的な美容方法こそがアンチエイジングとして言われてきました。
ですがここ数年で健康志向や自然のままで体の美しさを保つ、体内からのアンチエイジングが注目をされるようになってきており、そのための手法もまた広がりを見せるようになりました。
現在ではそうした美容クリニック系の手法と、食べ物やヨガなどの体操で予防医学的に行う方法との2つの側面からアンチエイジングという1つのビジネスは成り立つようになってきています。
高齢化社会とともに進むアンチエイジング市場
アンチエイジングというキーワードが急激に世の中に浸透していった背景として、急速に進む高齢化の問題があります。
美容関連対策のためのアンチエイジングの市場規模は2013年の時点で既に1兆5000億円を超えるとされており、今後もしばらくは成長基調を続けていくことが予想されています。
美容関連市場における商品としては、シャンプーやリンスといった日常品から、化粧水や美容液といった毎日の肌ケア製品、また化粧下地やファンデーションなどのメイクアップ製品などがあります。
また今後大きく伸びていくと予想されているのが男性向けの製品です。
男性向けのヘアケア製品やスキンケア製品、ボディイケアなどの日用品の他、エステティックサロンやスパなどの施設につていも今後大きく数を増やしていくことになるでしょう。
製品だけでなく情報産業にも影響
アンチエイジング関連の市場は、製品やサービスだけでなく情報関連業にも影響を与えています。
今大きく伸びているのが雑誌業界で、有名ファッション雑誌がいくつか廃刊になっている一方で、新しく健康関連の雑誌が創刊されるなど大きな変化を迎えています。
テレビ・メディアにおいても、健康関連の情報を扱ったバラエティ番組が好視聴率をマークする状態はここしばらく続いており、そうした別のメディアとタイアップした雑誌なども登場してきています。
雑誌の他にもアンチエイジングの心得を記した書籍がベストセラーになるケースも見られており、マッサージやヨガについて詳しく書かれた本や、食事のときに気をつけたいポイントについて書かれたものも人気が続いています。
ネットが各家庭に普及したとはいえ、やはり年配者にとってはテレビや雑誌は身近なメディアとして大きな力を持っており、今後はそうした健康やアンチエイジングに関わる情報産業も従来型のメディアで大きく伸びていくことが考えられます。